ムジカ・テト インタビュー

2019年1月22日、ヤンゴンにあるレストランMyo Mitarでのインタビュー。

この日ムジカ・テトに会うのは3回目だった。初対面は2017年に開催された、日本とアジアのミュージシャンの交流を図ったイベント「アジアン・ミーティング・フェスティバル」の仙台公演。彼のパフォーマンスはコントラバスとラップトップを使った演奏だった。僕はこの前から現地で音楽事情を調べていたが、彼の存在は知らなかった。「ミャンマーにも即興演奏をする人がいるのか」と新鮮な驚きだった。

2回目は2018年2月のミャンマー。彼が主催するノイズミュージック/即興音楽のチーム「ノイズ・イン・ヤンゴン」のライブがヤンゴンが開催された。会場はダウンタウンにあるギャラリー。


古びたビルのワンフロアを使った広めのスペースで、ミュージシャンたちが車座になり即興演奏を行う。PAシステムは無く、アコースティック楽器はそれ自体から、エレクトリック楽器は小型アンプから出力される。音は混ぜ合い、天井の高さゆえよく反響する。プレイヤーは6人ほど。観客は10人弱だった。ステージは無い、照明は蛍光灯のみ、音響機器も乏しい。そんな剥き出し環境の中で、剥き出しの音楽が作られていた。
この日、テトは演奏には参加しなかった。輪の片隅で他の奏者を凝視し、時々スマホで演奏を撮っていた。ヒップホップやEDMが席巻する今のミャンマーの若者音楽シーンにあって、これは貴重さ存在だ。

今年1月ヤンゴンに行った際、テトと再会する機会をもてた。せっかくなのでインタビューをお願いした。ヤンゴン郊外にあるレストランで、彼は笑顔で出迎えてくれた。

ーーノイズ・イン・ヤンゴンについて教えて下さい。
テト これはミャンマーで唯一のノイズミュージック/即興演奏のグループです。結成のヒントは2017年のアジアン・ミーティング・フェスティバルに参加したこと。あれがきっかけで作りました。今のメンバーは4〜5人で、ドラムやギターのプレイヤーです。メンバーを増やすために音楽学校に行ってノイズミュージックの歴史を話したり、グループの活動をプレゼンしています。

ーー自主企画はどれくらいのペースでやってますか?
テト 大きいコンサートは年2回、小さいのは6〜10回です。いつも自腹を切って他の国からミュージシャンを呼んでいます。

ーー会場はどういったところでやりますか?
テト ほとんどギャラリーです。ミャンマーはアートシーンが盛んですから。

ーー自主企画の当日までの準備と当日の流れを教えてもらえますか?
テト 本番の1週間前にリハーサルをやります。当日の流れや、何をどう使うかなどを決めます。当日はとにかく忙しい(笑)。主催者、通訳、プレゼンターを兼ねてますから。

ーー逆に海外に行く事もありますか?
テト うーん、その国につてがあるかどうかですね。無ければそもそも行くのが難しいし。その人がミュージシャンじゃなくてもいいですよ。ライブペインティングパフォーマーも交流のきっかけになります。

ーーミャンマーの他の街にもノイズシーンはあるんですか?
テト いや、現状ヤンゴンだけです。

ーー即興演奏のどういったところに惹かれますか?
テト 即興は同じ事が二度と起きないから好きです。

ーー面白い即興演奏とつまらない即興演奏の違いってなんだと思いますか?
テト “Why?”が無ければつまらないと思う。

ノイズ・イン・ヤンゴンの最新情報は以下でチェックできます。
http://www.noiseinyangon.com/
https://www.facebook.com/noiseinyangon/

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